特集 小児科医ができるアドボカシー活動~こどものこえを社会のこえにするために小児科医ができること~
国レベルのアドボカシー―こどもの課題を国家レベルで取り組む
ワクチン忌避への対応を考えよう
幾瀨 樹
1
IKUSE Tatsuki
1
1国立成育医療研究センター感染症科
pp.1627-1630
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001153
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はじめに
ワクチン接種は病気の発症や重症化などを予防する重要な医療行為である。ここ十数年におけるワクチンの普及により,多くの感染症が予防されている一方,ワクチン忌避の存在により,ワクチンを受けられない子どもがいることも事実である。ワクチン接種については,「予防できる感染症を予防し,健やかに成長したい」という実際には声にはならない子どもたちの思いが背景にあるはずである。ワクチンに関しても,子どもの声を代弁することは小児科医の重要な役割である。世界保健機構(WHO)より「ワクチン忌避は世界における重大な脅威」と報告されており,ワクチン忌避への対応は非常に重要な課題である1)。ワクチン忌避への対応は医師個人レベルだけでなく,国家レベルで取り組む必要があり,対応を考えるうえで,そもそもワクチン忌避とは何なのかについて知る必要がある。
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