連載 クライシス・緊急事態リスクコミュニケーション・9
コロナ慣れや脳が疲れている人へは「ナッジ」で対応
蝦名 玲子
pp.772-776
発行日 2021年11月15日
Published Date 2021/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209735
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
はじめに
先月号では,専門家と市民とはリスクアセスメントが異なることや,リスク認知によって反応が変わることをお伝えした.今回の新型コロナパンデミックは,その長期化から,いわゆる「コロナ慣れ」が起きてしまい,市民が脅威に対して警戒心を持たなくなってしまった.そのような状況でリスクを伝えたところで,なかなか聞く耳を持ってもらえない.さらに,危機下では脳が疲れやすく,注意も散漫になりがちになる1).
そこで,今月号では,そうしたコロナ慣れした人や脳が疲れている人に予防行動を取ってもらうために役立ちそうな,注意を喚起させたり,気付かせたり,控えめに警告したりし,人々の行動をより良いものにするように誘導する「ナッジ(nudge)」について紹介しよう.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.