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あとがき/投稿申し込み書/著作財産権譲渡同意書
高鳥毛 敏雄
1
1関西大学社会安全学部
pp.280
発行日 2021年4月15日
Published Date 2021/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209612
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本号の特集はCOVID-19の流行の先行きがまだ見えない,最初の緊急事態宣言の発令が解除された2020年5月に企画したものです.公衆衛生体制へのパニック的,批判的報道が落ち着き,人口5,000万人を超える先進国の中で日本がなぜ制御ができているのかに関心が向き始めた時期でした.保健所が全国に存在し,クラスター対策が行われるなど保健所の理解が進んできていました.これを機に,公衆衛生者が率先して感染症に対処する公衆衛生体制や感染症の法制度を確認してみる必要があると考え,企画させていただきました.
感染症とは不思議な縁があります.学生時代は阪大微研のハンセン病部門教授の下でハンセン病療養所に毎年学生を連れて行ってました.卒後は,肺がん検診の有効性を確かめるため結核検診受診者の肺がんのリスク評価研究をしていたのですが,そのうちに結核対策の仕組みに関心が移っていました.そんな折の1996年,伝染病予防法体制下でしたが,大阪府堺市で腸管出血性大腸菌O157の患者が約1万人発生する事件が発生し,1年余り関わることになりました.堺市に国内外のさまざまな専門家が訪れてきました.その一人が高橋央先生で,日米の感染症対策の組織や体制の違いの議論をしたことを思い出し執筆をお願いさせていただきました.その他の執筆者の方々にも日頃からお世話になっておりお忙しい中でのご執筆について厚く御礼申し上げます.
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