--------------------
あとがき/投稿申し込み書/著作財産権譲渡同意書
高鳥毛 敏雄
pp.782
発行日 2019年10月15日
Published Date 2019/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209258
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
「摂食障害」は「ICD10」や「DSM-5」の中で疾病・障害として記載されています.若者を中心に,誰でもなり得る可能性のある一般的な障害です.生物学的要因より社会的要因が大きい問題と思われます.「痩せ」はかつて貧しさの象徴とされていましたが,今では「肥満」が貧困・不健康の象徴とされるように様変わりしています.食品の加工技術が向上し,流通が多様化する中で,食品がどこでも安く容易に手に入る社会となっています.
瀧井氏は,医学的な理解と常識を超える周辺的障害が増えていると指摘されています.山内氏は食行為が栄養的欲求行為から乖離し,ストレス発散などの社会の生きにくさに対する行為となっていると指摘されています.武田氏は,現実回避のソーシャルスキルやコーピングスキル不足,歪んだ自己愛,自己中心性などの現代人特性が背景にあると指摘されています.永田氏は,不登校,引きこもりの背後に社交不安障害を伴う摂食障害者があると指摘されています.西園氏は,オランダの調査から日本でも若い女性の約2%が摂食障害に該当していると推測し,社会的偏見とセルフスティグマの問題が絡まって早期支援が難しい現状にあると指摘されています.髙倉氏は,学校において啓発活動を行うことが若年者の受診者増につながることを報告しています.小原氏からは日本摂食障害協会や世界摂食障害アクションディの啓発活動の報告をいただきました.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.