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あとがき/投稿申し込み書/著作財産権譲渡同意書
高鳥毛 敏雄
pp.324
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209130
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1990年ごろから何度か,訪英をする機会がありました.その間,企業経営の手法の導入が図られるなど,英国の健康医療分野は激変の時代でした.「市場原理」や,それを修正した「第三の道」また「ビッグソサエティ(big society)」の政策がとられてきましたが,一方で,全ての人々の健康を公平,平等に保障するという目標は必死になって堅持しようとしています.英国が欧州連合から脱退する動き,いわゆるブレグジット(Brexit)はNHS(National Health Service)の維持問題と深く結びついているといわれています.
本特集で取り上げたCSR,CSV,ESGなどの企業経営思想は海外から入ってきたものとされていますが,歴史をたどっていくと,国内で400年前から育まれてきたものといえます.近江商人の経営哲学の「三方よし」がその一例です.三方よしとは,売り手と買い手が満足するのは当然のことで,社会に貢献できてこそよい商売であると考えた商取引のことです.まさに今日のCSRの経営理念そのものではないでしょうか.
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