映画の時間
—カーテン一枚,窓の外は死の世界.でも,生きる希望は決して捨てない—シリアにて
桜山 豊夫
pp.625
発行日 2020年9月15日
Published Date 2020/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209475
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市街戦でしょうか.市民をスナイパーが狙撃している場面から映画が始まります.その様子を破壊されたアパートの一室から眺めている老人がいます.その部屋には赤ちゃんを抱えた若い夫婦がかくまわれていて,ベイルートへ脱出する相談をしています.
夫は脱出の手はずを整えるために,アパートを出て行きます.玄関が厳重に施錠されていることから,治安がかなり悪いことも推察されます.メイドのデルハンが夫を見送りますが,夫は外出直後に駐車場の脇で狙撃され倒れてしまいます.その一部始終を目撃したメイドはすぐにアパートの女主人オームに伝えますが,若夫婦の妻ハリマに夫が撃たれたことを知らせることを止められます.知らせれば,ハリマは夫を助けに行くでしょうし,外に出れば今度はハリマが狙撃されるでしょう.夜までは動けないというのがオームの判断です.
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