特集 ヘルスサービスリサーチ—サービスの効率と質の向上へ
HSRにおける公的統計データ,医療・介護レセプトデータ,およびそれら突合データの利活用
渡邊 多永子
1
1筑波大学医学医療系ヘルスサービスリサーチ分野
pp.664-668
発行日 2019年9月15日
Published Date 2019/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209223
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はじめに
ヘルスサービスリサーチ(health services research:HSR)1)では,わが国全体や,ある地域における特定の人々(例えば,健康な若年者,高齢者,要介護者やその介護者,ある疾患の患者など)といった研究目的に応じた大規模な集団を対象とすることが多いため,公的統計データなどの二次データを有効活用することが重要である.筆者の所属する筑波大学医学医療系ヘルスサービスリサーチ分野(以下,当研究室)では,統計法2)第33条に基づいて,厚生労働省から提供を受けたさまざまな公的統計データを用いた研究や,地方自治体と連携した医療・介護レセプト連結データの分析などを行ってきた.
本稿では,HSRについて,各データの概要と入手方法,それぞれの特徴を述べる.また,そこから得られた知見も述べる.最後に,現状の二次データ利用における課題を挙げ,行政レベルでのデータ取得・公開体制への提言を行いたい.
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