特集 ヘルスサービスリサーチ—サービスの効率と質の向上へ
英国のプライマリケアデータベースの利活用
浜田 将太
1
,
児島 剛太郎
2
,
岩上 将夫
3
1医療経済研究機構
2University College London博士課程
3筑波大学医学医療系ヘルスサービスリサーチ分野
pp.690-694
発行日 2019年9月15日
Published Date 2019/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209229
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
英国では,かかりつけ医であるgeneral practitioner(GP)によるプライマリケアと,専門医による診療や入院医療であるセカンダリケアが明確に分けられている.患者は緊急時を除いて,登録した診療所をまず受診し,必要に応じて専門医に紹介を受けるという形の医療提供体制(ゲートキーパー制)が整えられている.このことは,プライマリケアの診療記録を追跡することで,患者の病歴や治療をほぼ切れ目なく把握できることを意味している.診療所の診療情報は,定型化された電子健康記録(electronic health record:EHR)として保存されている.現在では,数百施設に及ぶ診療所のEHRが集約・データベース化され,多くの研究に活用されている.そこから得られた数々の「リアルワールドエビデンス」は公衆衛生上,重要な役割を担っている.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.