特集 SDGsと地域の公衆衛生活動
WHOのSDGsへの取り組み—保健を通じた「誰一人取り残さない」社会の実現
山本 尚子
1
,
谷村 忠幸
2
1世界保健機関事務局
2世界保健機関
pp.499-503
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209180
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はじめに
2015年9月の国連総会において採択された「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals:SDGs)には17の目標と169のターゲットが掲げられている1).保健分野の目標(SDG3)は「あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を確保し,福祉を推進する」である.その他にも,世界保健機関(World Health Organization:WHO)に信任された事項に直接的に関わる保健関連SDGsとして,貧困,食料,ジェンダー,水・衛生,エネルギー,都市・居住,平和で包摂的な社会といった目標が含まれ,さらに,教育,雇用,産業,生産消費,気候変動,パートナーシップの分野など,合計14の目標と50以上のターゲットが直接的・間接的に保健に関連している.
本稿では,WHOが保健関連SDGsをどのように事業計画に位置付け,その達成に向けて取り組んでいるか,また,SDGsと保健関係者の日々の取り組みがどのように関連しているかを紹介する.
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