特集 インバウンドと在留外国人—その増加と諸課題
東京2020オリンピック・パラリンピックに備えた感染症対策
杉下 由行
1
1東京都福祉保健局健康安全部感染症対策課
pp.127-133
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209077
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はじめに
近年,東京を訪れるアジアを中心とした国々からの外国人は増加しており,東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下,東京2020大会)では,国外からの訪問者のさらなる増加が見込まれる.このため,国外からさまざまな感染症が持ち込まれることが懸念され,また,東京2020大会開催時には,ある期間一定の場所に多くの人が集まることから,通常と異なる規模で感染が広がるリスクも想定される1).このようなリスクを踏まえ,東京2020大会に向けて感染症に関わる危機管理体制の強化を図ることが重要である2).
現在,東京都では,感染症の発生を早期に探知し,迅速に対応するためのさまざまな取り組みを行っている3).本稿では,東京2020大会を約1年半後に控えた東京都の取り組みの現状について具体的に紹介する.また,同大会に向けた感染症対策の検討状況と課題,今後の展望について述べる.
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