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冬季オリンピック・パラリンピックが無事閉幕した.新型コロナウイルス感染症パンデミックに加え,パラリンピックにいたってはロシアのウクライナ侵攻という暴挙の最中での開催であった.全日程を予定通り実施できたのは快挙というほかなく,「無事に閉幕」とは世界中の共通した思いであろう.読者の中にはサポート役として北京まで帯同された方もいらっしゃるかと思い,心よりお疲れ様と言いたい.
筆者は高校生までは北海道で育ち,大学生からは青森県で暮らしており,ウィンタースポーツには多少の経験がある.スキーを始めたのは大学生からで,それまではスケート,しかもスピードスケートである.中学生まで過ごした道東の十勝地方は,帯広市を中心としてスピードスケートのメッカであり多数のオリンピアン,メダリストを輩出している.“雪は少なく晴れの日が多くひたすら寒い”冬期間の気候がスピードスケートに適しているからである.12月に入ると積もった雪は寒さのため春まで解けず“根雪(ねゆき,気象用語では長期積雪)”となる.まとまった雪が降った日には,全校生徒が校庭に出て雪を足で踏み固める“雪踏み”なる行事を行う.夜になると父兄が学校にやってきて,踏み固めた雪に水をかけ凍らせる.この作業を数夜続けることで,十勝管内の小学校の校庭にはもれなくスケートリンクが完成する.こうなると冬期間の体育は毎回スケート,課外活動のスポーツも冬期間はスケートのみ.小学1年生で始めたばかりの頃には,ブレードというよりはスケート靴のへりで立っているのがやっとであるが,2年生では立派なちびっこスケーターに成長し,3年生にもなるとシーズン中には何度か大会にも出場するまでになっていた.
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