特集 薬局・薬剤師の地域展開—コミュニティ・ファーマシー
薬局における健康管理支援の現状と課題—簡易検査(自己採血)を中心に
高橋 寛
1
1岩手医科大学薬学部地域医療薬学講座
pp.908-914
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208777
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はじめに
国民の健康維持のためには,疾患を早期に発見し,早期に治療することが望ましいが,さまざまな理由で医療機関の診療,検診,健康診査を受けることに制約があると推測される人たちがいる.女性では子育てや介護などで長時間自宅から離れられないことや1),男性では仕事の都合上時間が確保できないことなどが考えられ,身近な環境で簡単な検査を受けたいという潜在的ニーズがあると考えられる.一方,わが国の糖尿病患者と糖尿病予備群の合計は2,050万人と推計されており2),医療費の削減および健康寿命の延伸のために生活習慣病への対策が重要課題となっている.
上記のような状況の中,2014年3月31日に厚生労働省より公布された臨床検査技師法に基づく告示の改正によって,新たな仕組みとして「検体測定室」が誕生した.2016年1月時点で,薬局を中心に全国に約1,200カ所が開設されている3).本稿では,近年増加している検体測定室を薬局でどのように運営しているかを述べる.
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