特集 衛生監視・指導行政の現状と課題
扉
pp.617
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208713
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わが国において専門知識を有する衛生監視員を配置した監視指導が始まったのは,1947年に制定された食品衛生法の成立によります.食品衛生法は近代的,科学的な衛生行政の基礎をなす重要な法律といえます.衛生監視員は専門職が担うものとされ,主として保健所を拠点として配置される職種とされました.
現在,衛生監視は,腸管出血性大腸菌O157やBSEの流行,農産物・食品市場のグローバル化,食品偽装問題などを経て食品安全基本法が制定され,食品安全という観点から進められる時代となっています.フードチェーンの観点から食品流通の川上から川下まで監視を進めるべきとされたことから,川上を担当する農林水産省にも消費安全局が設けられました.また,科学に基づいて食品のリスク分析を行う体制として,内閣府に食品安全委員会が設けられています.食品のリスク分析や評価をもとにして,一層,科学的な知見と国際的な基準と則って監視を進める必要があります.
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