特集 あなたの「見方」に現象学を
扉
pp.249
発行日 2016年4月25日
Published Date 2016/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200471
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現象学の創始者フッサールは,「事象そのものへ」というテーゼを掲げました。これは何か物事をとらえる際,「こうあるものだ」「こうしているはずだ」という先入見を排し,そこで起きているもの自体を追求しようという立場です。哲学の一分野ですし,ちょっと難解ですね。けれども,決して看護教育と縁遠いものではありません。
看護も教育も,対象である患者や学生に全人的かかわりが求められます。当然,エビデンスにもとづいた科学的,論理的アプローチが重視されますが,決してそれだけではないというのは,皆さんはご承知でしょう。「病」や「学び」は,数値化されない固有の経験や感情と深く結びついているからです。かのベナーも,臨床実践の意味を探るうえで,現象学的に人間をとらえるところから,その理論を構築しています。
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