連載 いま,世界では!? 公衆衛生の新しい流れ
市民主導の包括医療サービスフレームワークと地域包括ケアシステム
梶原 麻喜
1
1世界保健機関(WHO本部)サービスデリバリー・セーフティ部
pp.606-609
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208492
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世界には,基本的な保健サービスを受けられない人々だけではなく,サービスへのアクセスは保障されているが治療費の支払いに苦しむ人,必要なサービスを受けられない人,質の伴わないサービスを受けざるを得ない人,必要な複数のサービスを包括した形で受けられない人など,保健サービスの恩恵を必要な形で受けられない人々が多数存在している.
2015年9月,ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals;MDGs)の後継として,「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals;SDGs)を中核とする「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択された.このアジェンダは17の目標と169のターゲットから構成され,保健の目標として「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し,福祉を促進する」が,13ある保健目標のターゲットの1つとして「すべての人々に対する財政リスクからの保護,質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成」が設定されている1).
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