特集 自治体行政と公衆衛生
【地域保健法成立後の地域の公衆衛生体制の推移と課題】
大阪府における公衆衛生体制の推移と課題—私史的考察
髙山 佳洋
1
1大阪府茨木保健所
pp.43-49
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208344
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2015年5月,大阪都構想の是非を問う住民投票が行われたが,反対票が賛成票をわずかに上回り,否決された.成長戦略や二重行政の解消という論点が注目されたが,大阪都構想では5つの特別区に中核市並みの権限を持たせるため,現行の1つの大阪市保健所を改め,5つの保健所が整備される施策も盛り込まれていた.
結核をはじめ年齢調整死亡率等の健康指標がワースト1である大阪市の健康問題が議論の俎上に上れば,政治的な決着にかかわらず,地域保健法の趣旨による機能強化を図るために1カ所に集約された大阪市の保健所機能の功罪がもっと真剣に議論されるのではないかと期待していたが,ほとんど議論されることはなかった.
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