特集 感染症の新たな脅威
重症熱性血小板減少症候群—Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome;SFTS
下島 昌幸
1
1国立感染症研究所ウイルス第一部第一室
pp.458-462
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208217
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重症熱性血小板減少症候群はダニによって媒介される急性のウイルス性感染症で,英語では多くの場合SFTS(severe fever with thrombocytopenia syndromeの略)と表される.中国では年間1,000人程度の患者が報告されていたが,その後日本(年間数十人)と韓国(年間数十人)でも報告されるようになった.発熱・消化器症状・倦怠感など非特異的な症状を示し,致死率は平均10%以上と高い.血液を介したヒト-ヒト感染も確認されている.有効な治療薬や治療法はなく,ダニに刺咬されないこと,患者の血液との直接接触を避けることが現在考えられる有効な予防法である.
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