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病気の姿をデータで読む(6)—糖尿病と腎疾患—分類の蹉跌
倉科 周介
1
Shiusuke KURASHINA
1
1東京都立衛生研究所環境保健部
pp.856-859
発行日 1989年12月15日
Published Date 1989/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208084
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飢餓から飽食へ,混乱から秩序へ,太平洋戦争以後の40有余年,わが国の社会情勢はまことに目まぐるしく変化した.その変化のベクトルが大局的にみて好ましい方向を指していたことは認めてよかろう.衣食足って知る礼節は真の礼節にあらずというが,廉恥の行為が困窮よりも豊饒の中で容易なことは紛れもない事実だからである.だがこうした変化の渦中を通過することは,個体や集団にとって尋常な体験ではない.病気の姿はその体験をどのように反映しているのだろうか.例を糖尿病にとって検討してみよう.
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