トピックス
窒素酸化物による室内汚染
石黒 彩子
1
,
土井 まつ子
1
,
鳥居 新平
1
ISHIGURO・Ayako
1
,
DOI・Matsuko
1
,
TORII・Shinpei
1
1名古屋大学医療技術短期大学部
pp.113-116
発行日 1989年2月15日
Published Date 1989/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207871
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●はじめに
古くから室内汚染物質としてCO2,COが知られてきた.それ以外の汚染物—NOx,粒子状物質,胞子類,フォルムアルデヒド,アスベスト等が注目されるようになったのは最近のことである.表1に,発生源別の大気汚染物を示した1).特に問題となるのは室外,室内の両方に発生源を持つものである.NO2を例にとれば,諸外国の研究では,冬期には室内の汚染度が室外の3倍以上にも達するという.環境基準を制定して,外気の汚染物質の低減のみをはかっても,それだけで人々の健康を保障することになり得るのか疑問である.有害なタバコを筆頭に,室内を特に汚染する物質について,米国では1970年代初頭からすでに大規模な調査研究が行われているが2),わが国では,まだ今後の課題となっている.
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