明日の地方衛生研究所
衛生微生物検査におけるレファレンス・サービス・システムの整備
大橋 誠
1,2
Makoto OHASHI
1,2
1東京都立衛生研究所
2地方衛生研究所全国協議会
pp.47-50
発行日 1989年1月15日
Published Date 1989/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207852
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地方衛生研究所(以下地研と略)が,厚生省予防局長等衛生三局長名「地方衛生研究所設置に関する通達」に基づいて,設置されてから約40年が経過した.現在,全国に合計70の地研があるが,これらはそれぞれの地域にあって,公衆衛生行政の向上のための科学的・技術的中核としての役割を果たしてきている.各地研とも,基本的には調査研究,試験検査,研修指導,情報の解析提供の業務を持ち,感染症予防,薬事衛生,食品衛生,環境衛生など幅広い分野をカバーしてきた.
しかし,1954,76両年に厚生事務次官名の「地方衛生研究所の強化に関する通達」によって補強されたとはいえ,常に整備状況は時代の要請に比べ遅れがちであり,地域格差も大きいという悩みを抱えてきた.特に,昨今は公衆衛生を取り巻く情勢が社会の高齢化,国際化,情報化傾向及び技術革新の流れの中で急激に変化しつつあり,地研の業務内容にも益々幅広い範囲と高い技術水準,迅速な対応が要請されるようになって,上記の悩みは更に深刻化している.ここ数年来,地方衛生研究所全国協議会が今後の業務の在り方と強化の方向を鋭意検討してきたゆえんである.そして,昨1988年8月19日には,厚生事務次官通知の改正あるいは補強を求める要望書を提出するに至った.
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