特別寄稿
わが国における感染症の情報システムの沿革・2—感染症情報システム構築をめぐる曲折
大橋 誠
1
,
宮村 紀久子
2
,
倉科 周介
3
Makoto OHASHI
1
,
Kikuko MIYAMURA
2
,
Shiusuke KURASHINA
3
1前東京都立衛生研究所
2国立予防衛生研究所ウイルス中央検査部血清情報管理室
3東京都立衛生研究所
pp.720-722
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900443
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行政施策の転換は,それに対する社会需要の質量いずれかにおける変化が直接の契機となる.1968年5月の厚生大臣諮問も,まさしくそうした変化を背景とするものであった.伝染病の危険性の低下に伴って,その予防対策に従来許されていた社会的緊急性が減少したことがそれである.だがこうした状況は,合理的な疾病対策の立案に必ずしも有利に働くとは限らない.伝染病あるいは感染症の対策についても,そのような機微が伏在したかに思われる.
なお以下の本文で地研,予研とは,それぞれ地方衛生研究所および国立予防衛生研究所の略.また,職名はいずれも当時のものである.
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