感染症の検査法 Ⅲ 検査法各論
[8]新しい検査法
1)微生物検査のシステム化
浅利 誠志
1
,
網野 信行
2
,
宮井 潔
2
,
本田 武司
3
1大阪大学医学部附属病院中央臨床検査部
2大阪大学医学部臨床検査診断学講座
3大阪大学微生物病研究所細菌血清学部門
pp.906-908
発行日 1989年5月15日
Published Date 1989/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205068
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高度医療化に伴い臓器移植,白血病,自己免疫性疾患などを対象に免疫抑制条件下で治療される患者が急増している.これと並行し,細菌のみならず,真菌,ウイルス,寄生虫および原虫などによる感染症が,患者生命を直接脅かす病原微生物として重要視されている.
これまで,発育・増殖に時間を要する《細菌・真菌》を主な検査対象としていた細菌検査領域においても自動化およびシステム化は《避けて通れない》ばかりか,むしろ積極的に取り組んでいかねばならない状況にある.幸い,近年,医療工学,遺伝子工学,さらにバイオテクノロジーの発展に伴い,優れた自動機器やモノクローナル抗体・DNAプローブを用いた迅速同定法が開発され,種々の感染症診断検査法が実用化されつつある.そこで,現在われわれが進めつつある《微生物検査室》のシステム化の基本的な考えかたを中心に,今後の微生物検査の動向について記述する.
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