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●はじめに
風疹は小児に好発する疾患である.最近まで,わが国では6年から10年ごとの比較的規則的な周期で全国的流行を繰り返してきた.患児の大部分は幼稚園児や小学生である.これは,幼稚園児や小学生を中心とした感受性集団が蓄積してくるとその集団に流行が発生し,その感受性集団の約半数が感染(顕性,不顕性)し免疫を獲得すると流行が終息する1)と考えられている.
ところで,小児の流行や風疹罹患あるいは感受性には,(1)本人の年齢—これまでの風疹流行の経験回数と学制—,(2)本人の兄弟姉妹数とその年齢差—家庭内での濃厚頻回な風疹暴露と家庭内導入と伝播の可能性—,(3)地区の園児や学童数,(4)地域の人口密度2),などが宿主要因あるいは社会的要因として影響すると考えられる.しかし,これらの点を検討した報告は極めて少ない.仮に同じ年齢でも①通園児か否か,②何人兄弟姉妹の何番目か,③兄弟姉妹数や順位が同じでも,同胞に通園児や学童(低学年か高学年)がいるか,またどのような年齢や順序でいるかなどの家族環境条件の違いにより,(i)施設または家庭内での風疹の暴露の頻度や濃厚さ,(ii)家庭内導入そして家族内伝播に差が生じる可能性があると思われるが,これらについても検討が行われていない.
A rubella epidemic swepted through Bekkaichou in Hokkaido from March 1980 to March 1981. The total number of subjected children was 3,103. This study was based on rubella infections detected in a collection of 1,378 sera from children in 776 families. Rubella HI anti bodies were examined, and questionnaires for clinical data were sent home to the families through schools and/or kindergartens and were filled out by parents.
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