特別寄稿
風疹,および風疹による先天異常について—最近の話題と,看護学生の風疹抗体保有状況について
須河内 ともえ
1,2,3,4,5,6,7
,
教正院 靖子
2
,
田中 信子
2
,
坂上 淳子
3
,
兼光 寿臣
4
,
山下 凉枝
5
,
岡村 和子
6
,
吉川 ひろみ
7
,
大橋 高明
7
,
野中 実男
7
1九州大学医療技術短期大学部
2国立福岡東病院
3国立福岡東病院看護学院
4北九州市兼光小児科
5国立小倉病院看護学院
6福岡県立看護専門学校
7化血研
pp.204-209
発行日 1974年4月25日
Published Date 1974/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204684
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1.はじめに
1965年にその端を発した風疹の流行は,北は北海道から南は奄美,沖縄にいたるまでほぼ3年の間に,日本全土を襲い,数々の問題を投げかけて去っていった。その間多くの研究グループが風疹にとりくみ,いままでほとんど不明であった,わが国の風疹および風疹症候群の実態が究明され,きわめて興味ある事実が明らかになってきた。欧米では次期の風疹流行に備えて予防接種を開始しており,わが国でも風疹ワクチンの開発が進められている。
風疹そのものは症状が軽微で,ワクチンの必要性はなく,妊婦の罹患による胎児への感染を守ることにこの風疹ワクチンの究極の目的があり,今まで不可能とされていた先天異常の予防をこのワクチンは人類ではじめて可能にしようとするものである。前回の流行後5〜8年を経過し,風疹の流行も期待される時期となったので,風疹について理解を深めることは重要なことと考え,風疹およびその先天異常について述べ,さらに最近行なった看護学院学生の風疹の抗体保有状況の調査成績を報告する。
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