指標
妊婦風疹感染の実態と今後の対策—札幌市における風疹の流行から
石井 慶蔵
1
,
中園 直樹
1
,
沢田 春美
2
,
福田 勝洋
2
,
藤本 征一郎
3
,
菅原 卓
3
,
卯月 勝弥
3
,
宮崎 幸雄
3
,
関 敏雄
3
,
花谷 馨
3
Keizo Ishii
1
,
Harumi Sawada
2
,
Seiichiro Fujimoto
3
1北海道大学医学部公衆衛生学教室
2北海道立衛生研究所
3北海道大学医学部産婦人科学教室
pp.89-99
発行日 1980年2月10日
Published Date 1980/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206189
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風疹が1975年春から流行し,この流行は1965年〜67年の全国流行以来の大流行となった。風疹ウイルスが初めて分離されたのは1962年で,前回の流行では,まだウイルス学的技術が活用できず,流行の実態が把握できなかった。また風疹弱毒ワクチンの開発も進み,近く実用化も予想されたので,この流行が最後の自然流行と考えて研究した。
この研究は札幌市において各方面の協同によって行なわれ,その一部はすでに発表されている。風疹感染における最大の問題はいうまでもなく妊婦の感染で,われわれもこの問題を中心に,臨床面だけでなくウイルス血清学的にも研究した。本研究において病原的に確認された妊婦感染,胎児感染の興味あるいくつかの知見を得た。これらの知見を中心に,その背景を明確にするために流行の概要を述べ,あわせて婚前期女性の免疫に関する所見に基づいてきたるべき流行に対する妊婦感染の予防対策について述べる。
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