衛生公衆衛生学史こぼれ話
50.戦時中の栄養
北 博正
1,2
1東京都環境科学研究所
2東京医科歯科大学
pp.385
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207700
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衣食住というが,衣と住は体温調節の補助手段で,食が生存のための絶対的因子であって,ボロをまとい,あばら家に住んでいても,食が確保されていれば何とか生きのびて活動できるが,食が質・量について不十分であれば,生命を維持することはできない.
日本人がこのことを強く体験したのは,第二次大戦中の食料不足によってであり,誠にひどいものであったが,一方,あまり学識のない人々も栄養学について自家実験をしたわけで,その後,日本人の栄養に関する知識は一段と向上したといえる.これに対して関係当局の対応は誠にお粗末なものであった.
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