特集 訪問看護
患者家族から訪問看護にのぞむもの
石川 左門
1
Samon ISHIKAWA
1
1社団法人東京進行性筋萎縮症協会
pp.856-859
発行日 1987年12月15日
Published Date 1987/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207587
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■地域指向と在宅ケア
筋萎縮症の患者運動20数年の歩みを通じて得た,患者の生と死とに関わった多くの体験は,自分の人生をいかに終わるかという問いを,常に自分自身に投げかけてくる.
死は悲しみではあれ,死はだれにも訪れる人生最終の関門であり,従って,死それ自体は,極めて自然な出来事に他ならず,問題は,その迎え方にある.そして,いかに終わるかという人生の課題は,具体的な問題として,更に二つの問いを投げかけてくる.一つは,今までをどう生きてきたか,これからの残り時間をどう生きるかであり,一つは,どこで終わるかという,死を迎える場の選択の問題であるが,いわば前者は人生哲学の問題であり,後者は社会学的課題となる.
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