統計
諸外国の成人病死亡
滝川 勝人
1
1厚生省統計調査部
pp.197
発行日 1966年2月10日
Published Date 1966/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201170
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衛生状態の改善,人口の老齢化にともなつて,悪性新生物,中枢神経系の血管損傷,心臓の疾患,高血圧症,老衰など,いわゆる成人病による死亡が,世界各国とも逐年増加の傾向にあります。1962年の主な国における総死亡に対する成人病死亡の占める割合をみますと,日本57.6%,アメリカ68.3%,フランス64.7%,西ドイツ64.1%,オランダ68.9%,イングランド・ウェールス64.3%,オーストラリア66.0%,ニュージーランド64.3%と非常に高い割合を示しております。また,これら成人病のなかでも,死因別に人口10万対の死亡率でみますと,悪性新生物では,イングランド・ウェールスの217.5がもつとも高く,ついでデンマークの213.5,西ドイツの209.5とつづいており,中枢神経系の血管損傷では,西ドイツの173.3が最も高く,ついで日本の169.4,イングランド・ウェールスの167.6,心臓の疾患では,イングランド・ウェールスの369.4がもつとも高く,ついでアメリカの336.5,スウェーデンの317.9となつております。これらをなお詳細に観察するためには,それぞれの死因,国ごとに訂正死亡率を求めて,比較する必要があると思われます。
最近10年間における日・英・米の成人病死亡について,死因別に人口10万対の粗死亡率をみたのが下図であります。悪性新生物、心臓の疾患については,三国とも増加の傾向にあります。
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