特集 公害とその後
交通騒音の健康影響
吉田 敬一
1
Keiichi YOSHIDA
1
1実践女子大学家政学部
pp.550-556
発行日 1987年8月15日
Published Date 1987/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207519
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■はじめに
騒音は良く知られている通り,「好ましくない音」であり,特別な測定器がなくても,耳で聞いただけで判断される事などから,公害の苦情の件数としては最も多い.
またわれわれは,生活行動に伴って直接または間接に音を発することが多いので,騒音源も多種多様である.騒音の種類別に苦情件数を分けると,表1のようになる.この表から自動車・航空機・鉄道などによるいわゆる交通騒音による苦情は,全体の7パーセント程度であり極めて少ない.しかしこれは交通騒音の特殊性を物語っているもので,件数は少ないが,飛行場周辺,新幹線沿線,主要道路沿道など,騒音が問題となっている地域では深刻な社会問題となっているのである.
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