特集 医学教育と公衆衛生
公衆衛生医師の確保対策と現況
入山 文郎
1
Fumio IRIYAMA
1
1厚生省健康政策局計画課
pp.453-456
発行日 1987年7月15日
Published Date 1987/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207498
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■はじめに
わが国の健康水準の向上に衛生行政機関の果たしてきた役割は大きい.特に,結核対策等,各種の感染症対策や母子保健対策の分野に代表される通り,保健所が衛生行政の第一線機関として,主として疾病予防の観点から多大の貢献をしてきたことは歴史の示すところとなっている.
さらに,人口の高齢化,疾病構造の変化,医学・医療技術の急速な進歩等によって,保健医療政策が大きく転換しようとしている今日,地域住民に対して各種の保健サービスを供給している保健所の果たす役割はますます重要となっている.特に,最近では,成人病に代表される慢性疾患対策が保健対策上の重要課題となっており,その疾病の特徴から,保健サービス供給に当たっては,保健所側の新たな体制の整備が求められている.このため,国においても体制の整備に向けて種々の施策を実施してきているところである.その中でも,公衆衛生業務,特に保健所において保健活動に従事する医師の確保と養成が最も重要な課題の一つとなっている.
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