視点
今後の公衆衛生医師の人材確保と育成を考える—公衆衛生サマーセミナー(PHSS)をご存知ですか
高橋 千香
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1大田区健康政策部感染症対策課
pp.644-645
発行日 2019年9月15日
Published Date 2019/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209218
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公衆衛生医師はイリオモテヤマネコ?
本誌の読者には,公衆衛生医師(本稿では,保健所や県庁などの行政機関で勤務する医師を総称してこのように表記する)を直接知っている方が多いのではないだろうか.しかし,世間一般では「公衆衛生医師って何?」と思われていることも多く,医学生や医師においても認知度が高いとは言えない.2016年の厚生労働省の調査1)では行政機関勤務の医師は1,740人で,全体の0.5%であった.
後述する全国保健所長会の研究班が主催するサマーセミナーで,ある医師から「公衆衛生医師は“イリオモテヤマネコ”だと思っていました.存在は知っているけど,実物は見たことがない」と言われた.笑ってしまったが,同時に危機感を持った.本稿では,いかに公衆衛生医師を認知させ,興味を持ってもらい,また人材を増やすことができるか,私が考えていることを,全国保健所長会の「公衆衛生医師の人材育成と確保」研究班(以下,研究班)の活動とともに紹介する.
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