特集 水と空気
環境科学の課題
小泉 明
1,2
Akira KOIZUMI
1,2
1前東京大学医学部公衆衛生学
2昭和大学医学部衛生学
pp.368-372
発行日 1987年6月15日
Published Date 1987/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207481
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■はじめに
人間はもとより,すべての生物はその環境とのかかわりのもとに生命活動を続けている.環境を度外視して生物を,そしてその生命活動を論じることはできない.同様に,主体である生物を離れて環境のみを取り上げても無意味である.
生物とその環境とのかかわりを対象とする科学が生態学であることは改めていうまでもない.生態学では系という概念がよく用いられる.生態系はその代表例であるが,主体環境系も生態学の特徴を示すものである.生態系では主体に相当するのは生物群集であり,したがって広範であるのに対して,主体環境系では特定の種,しかも限定された場所での個体群が検討の対象となる場合が一般的である.
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