特集 思春期
身体障害者の思春期問題
穐山 富太郎
1
Tomitaro AKIYAMA
1
1長崎大学医療技術短期大学部
pp.258-262
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207453
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現代社会は便利な生活をもたらした文明の進歩と裏腹に,子どもや青年が本質的に求める大自然の生活環境を破壊しつつある.いわば,大人の生活ペースに振り回され,子ども本来の生活ペースは掻き乱されている.このことは子どもの生活リズムの実態をみても一目瞭然としている.日の出とともに目を覚まし,日暮れとともに眠りにつく人間古来の自然の営みが,テレビ,電気炊飯器,自家用車などの影響か,遅寝,遅起きの習慣により大きく乱され,成長期にある子どもの睡眠リズムにまで影響を及ぼしている.氷室7)らによると,3歳児で起床時間は29%が8時以降,就寝時間は44%が10時以降と極端な遅寝,遅起きの睡眠パターン(夏期の調査)となっていて,改めて驚かされる.遅寝,遅起きの睡眠パターンは子どもの食生活や遊びにまで悪い影響を与えることになる.
また,夫婦共働きや片親家庭の増加に伴う鍵っ子問題をはじめ,不健全な社会環境は子どもの発達過程で健全な成長の阻害因子となっている.
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