特集 健康科学
環境保健
廣田 良夫
1
,
廣畑 富雄
2
Yoshio HIROTA
1
,
Tomio HIROHATA
2
1厚生省生活衛生局企画課
2九州大学医学部公衆衛生学
pp.32-37
発行日 1987年1月15日
Published Date 1987/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207402
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■はじめに
世界保健機関は"Health for all by the year 2000"の戦略の中で,開発途上国においては感染症及び寄生虫疾患が死因の中心をなしていること,先進国においては循環器疾患,癌,事故が死因の中心をなし,環境保健が重要性を帯びつつあること,このような先進国の様相は途上国においても工業化の段階で当てはまることを述べている1).また同戦略達成の鍵となるプライマリ・ヘルスケアの要素としては,食物と栄養の確保,安全な水の供給と基盤衛生施設整備,母子保健(家族計画を含む),地域的流行疾患の予防と対策,主要感染症に対する予防接種,通常の傷病に対する適切な医療提供,必須医薬品の供給をあげている2).従って開発途上国においては,主として健康問題の中心をなす感染症や寄生虫疾患の克服に環境保健の役割が期待され,先進国においては主としてman-madeの病因の克服に,環境保健の役割が期待されているといえよう.
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