特別寄稿
水俣病対策の新たな展開に向けて
篠崎 英夫
1,2
,
西山 正徳
3
Hideo SHINOZAKI
1,2
,
Masanori NISHIYAMA
3
1前 環境庁環境保健部特殊疾病対策室
2現 静岡県衛生部
3環境庁環境保健部特殊疾病対策室
pp.754-760
発行日 1986年11月15日
Published Date 1986/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207369
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Ⅰ.はじめに
昭和31年5月1日,熊本県水俣市にある新日本窒素肥料(株)附属病院長細川一は,水俣保健所(所長:伊藤蓮雄)に,原因不明の奇病が発生したと報告を行った.この日をもって水俣病の公式発見と呼ぶ人もある.さすれば,本年5月1日は,ちょうど30年目を迎えたことになる.
この間,環境庁をはじめとして関係県市,そして医学者の努力にもかかわらず,今日をもってしても水俣病問題は解決していない.しかしながら,本年からスタートした特別医療事業や検診,審査体制の強化策等,少しずつではあるが,水俣病対策は前進してきており,これら施策は,水俣病対策の新たな展開の第一歩として,評価できよう.
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