発言あり
民活
加納 克己
,
大塚 知雄
,
渡部 正
,
久常 節子
,
生田 恵子
pp.709-711
発行日 1986年11月15日
Published Date 1986/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207359
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保健・医療・福祉への導入は慎重に
都市の環境整備に不可欠な公共事業費が抑制され,国や地方公共団体は今や苦しい財政状況におかれている.実際,現在の国債残高は百兆円を越している.一方,ふくれ上がる貿易黒字と歩調を合わせ,内需振興策への期待が強まっている.そこでどうしても公共事業を伸ばさざるを得なくなる.公共事業といえば,これまで国や地方が直接行うか,公的機関である公団が運営にあたるのが一般的であったが,中曽根政権になってからこうした都市開発,住宅建設などの公共事業にも民間資金をどしどし導入しようとしている.
この中曽根首相が熱心に提唱する民活導入は,医療分野にも広がろうとしている.東京の某公立病院では,まずくて冷たいととかく悪評の高かった病院給食が,民活導入により適時適温の食事になり,患者からおおいに喜ばれているという.この病院ではほかに清掃,洗濯,外来窓口受け付け,カルテ整理,手術用メス,ガーゼ類の滅菌なども民間に委託している.
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