地域実践レポート
老衰を対象とした在宅における末期医療—一離島における試み
長嶺 敬彦
1
,
長嶺 京子
1
Takahiko NAGAMINE
1
,
Kyoko NAGAMINE
1
1萩市大島診療所
pp.708-710
発行日 1985年10月15日
Published Date 1985/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207134
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●はじめに
医学がいくら進歩しても,個体の死は避けられない厳然たる事実として存在する.治癒cureを目的とした従来の医学だけでは,末期患者およびその家族のかかえる苦悩に十分対応することが出来ない.死に焦点を当てた臨床医学の研究は,始まったばかりである.癌の末期の患者に対する全人的ケアの試み1)など,従来の治癒のみを目的とした医学とは,一味異なった学問分野が展開されようとしている.これらを総称して,末期医療terminal care という
当診療所では老衰を対象とし,在宅における末期医療を実践している.老衰における末期医療はその経過が最も自然で,医療による修飾が少ないため,あらゆる末期医療を考える上で基本になると思われる.当診療所における実践を通して,在宅における末期医療を考えてみたい.
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