特集 公衆衛生の歴史的発展と将来展望
臨床医学の進歩と公衆衛生—リウマチ熱と膠原病を例として
塩川 優一
1
Yūichi SHIOKAWA
1
1順天堂大学
pp.34-39
発行日 1985年1月15日
Published Date 1985/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206981
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■臨床医学と公衆衛生
臨床医学は,個々の人の疾病を治療するという目的で発展してきた.そしてその方向は,今なお変っていない.しかし,医学の進歩に伴って次のようなことが認識されるに至った.
疾患の原因として原因因子の存在は当然重要である.また,宿主因子,たとえば遺伝とか素因などの重要性は無視することは出来ない.しかし,疾患は個人的であるとともに,より社会的な現象である.あたかも個人の病気のように見えても,同時に環境因子に支配されている社会的疾患である.そこでその背景をよく理解することにより病気の対策,治療はより一層容易になるのである.
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