特集 循環器疾患の疫学
循環器疾患の国際比較
籏野 脩一
1
Shuichi HATANO
1
1国立公衆衛生院疫学部
pp.190-201
発行日 1984年3月15日
Published Date 1984/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206834
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■はじめに
世界の大勢を知って,我が国の位置づけを知ることは,我が国の循環器疾患の今後の向かう方向を確認すること,我が国の特殊性を認識し,循環器疾患対策の重点を定め,的確な予防対策を企画する上でも必要である.また開発途上国や他の先進諸国との交流や情報提供等の国際協力も,我が国の医学関係者の任務の一つと考えるべきである.国際比較が,種々の疾病の未知の原因を明らかにする上で役立った経験は少なくないし,アジアの諸国から研修生や学者を迎えている研究所,病院,大学も多くなった.
医学技術の進歩は,微生物を介して起こる感染症の多くを経済発展の進んだ国々からほぼ追放したけれども,加齢に伴って起こる組織の変性や傷害,機能低下を防止するに至っていない.
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