特集 アルコール問題
戦後における飲酒量急増の背景とアルコール問題の第1次予防
額田 粲
1
Akira NUKADA
1
1東邦大学医学部衛生学教室
pp.770-777
発行日 1983年12月15日
Published Date 1983/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206788
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■はじめに
酒の歴史は非常に古い.聖書,仏典,コーランも酒の功罪についてくわしく述べ,過去2000年間宗教はこれに異常な関心を示し,現在でも宗教は社会の飲酒に対する態度の決定に陰に陽に大きな役割を果している.
社会の飲酒に対する態度はこれを許容するか,或いはこれを禁止するかに二分されるが,現在日本を含め世界の文明国の大部分は飲酒を許容する社会であり,一方人類の過半を占める発展途上国には宗教戒律により禁酒が強制されている国が多く認められる1).
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