発言あり
発言あり(自由課題)
pp.767-769
発行日 1983年12月15日
Published Date 1983/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206787
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体外受精は非倫理的か
遺伝子工学をはじめ最近のライフサイエンス技術の進歩はめざましく,これに対する人間社会の組織や規則などの法律的な側面がややもすれば後追いの状況を呈しているのが現実であろう.ここにバイオエシックスの問題がとりあげられ倫理規定を作り生物学の技術的活動に枠をはめようとするのは当然といえよう.
たしかに,今まで存在しない種を新たにDNAの合成によって創り出し,場合によっては人間をはじめ現存する生物種の生存をおびやかすものとなるかも知れない.また臓器の摘出を急ぐあまり死の判定時期を早めたりするような行為は人間の倫理に反する行為として非難されなけばれならない.しかしバイオメディカルな進歩によって可能となった新しい技術に対して十把ひとからげにして倫理的でないという烙印を押すことには納得がいきかねる.このような例として体外受精の問題がある.
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