特集 思春期の性問題
地域における少年の性問題
箕輪 真一
1
Shinichi MINOWA
1
1高崎市医師会
pp.166-172
発行日 1982年3月15日
Published Date 1982/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206489
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昨年9月,群馬県北部山村の女子10人を含む34人の中学生が不純異性交遊などで警察に補導され,また11月には県東部の田舎町の女子8人を含む20数人の中学生が同様の行為で補導されたことが明るみに出た.これらの背景として,前者では純朴な山村が急速に観光地化し,都会の若者客が押し寄せ,開放的で刺激的な男女交流の情景を出現したり,民宿に低級な週刊誌などを置いていったりする身近かな環境の変化があげられ,後者では工業都市化によるベッドタウンが農村に急造成され,人口が急増し,人口移動による空き家住宅の存在などで,生徒の生活指導が行き届かなかったことなどがあげられている.
このような少年達の性の逸脱行為は,今日では全国的な傾向であって,少年の性非行の増加と低年齢化は社会問題となっている.ここでは,少年の性問題を一地方の群馬県という地域レベルで考えてみたいと思う.
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