フォーラム
地域医師会と公衆衛生活動
箕輪 真一
1,2
Shinichi MINOWA
1,2
1高崎市医師会
2群馬大学医学部
pp.118-124
発行日 1988年2月15日
Published Date 1988/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207623
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●はじめに
最近のある開業医(保険医)集団の新聞の主張欄に,"地域医療は開業医の診療を機軸に"の見出しがあり,その文中に「地域医療は公衆衛生ではない.あくまでも医療であって,医師の診療が中心であり,診療を中心としてその周辺(健康教育,疾病予防からリハビリ,ターミナルケアまで)を固めて行く形でなければならない」と述べられていた.筆者はこれを読んで途端に違和感を覚えたが,立場によっては用語の解釈も,ものの考え方も異なるものだと心にとどめることにした.
つまりこの主張は,開業医は診療を本領とする臨床医であり,その多くは公衆衛生は行政であると心得ていることを示すものであり,医師会を構成する医師会員(主として開業医)を理解する上で留意しておかなければならない側面であると考えている.
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