海外事情
英国の職業保健—その卒後教育と研究活動
荒記 俊一
1
Shun-ichi ARAKI
1
1東北大学公衆衛生学
pp.336-340
発行日 1981年4月15日
Published Date 1981/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206301
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■はじめに
筆者は1976年8月ふら1977年10月までブリティッシュ・カウンシルのスカラーとして英国に留学し,この間,ロンドン大学の社会医学系の大学院大学であるLondon School of Hygiene & Tropical Medicine(LSHTM)のTUC Centenary Institute of Occupational Healthに籍をおいた.ここでMaster of Science in Occupational Medicine(MScOM)とDiploma in Industrial Health(DIH)の2つのコースをとりながら,ロンドンを中心に各地の職業保健関係の教育・研究・サービス機関を訪問し,その実際にふれる機会を得た.
ところで,筆者が渡英した時期は,その2年前に発効したNational Health Service (Reorganisation) Act 1973やLocal Government Act 1972など国民および地域保健の分野に導入された新しい施策の結果が見え始めた時期と一致した.この中にあって,職業保健サービスの分野でも機構改革が進行していた.英国の職業保健サービスは1802年のHealth & Morals of Apprentices Actの成立以来,Factory Act 1833を経て国家的規模で発展を遂げてきた.
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