特集 日常生活の中の健康づくり
健康づくりのための運動の生活化
西脇 要
1
Kaname NISHIWAKI
1
1(財)ライフプラニングセンター運動療法研究室
pp.223-229
発行日 1981年3月15日
Published Date 1981/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206275
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■はじめに
昭和52年から厚生省によって提唱されてきた健康づくりの柱の一つに,運動がある.これは,現代人にとって健康のためには運動が大切な要素の一つであることを,改めて認識させるものである.というのは,従来から運動というと,学校体育とか,余暇活動として行なわれるスポーツとかといったものを想起させ,運動を行なうということをこれからの体力づくりのため,として思考してきたからである.若いうちに体力をつくるために,こういった意味での運動は大いに奨励され,またその目的を果たして今日に及んでいる.しかし,産業が高度に発達し,都市化現象が進んできた今日では,健康を阻害する要因が数々生じ,特にその中で運動不足がクローズアップされてきた.科学技術の発展は,われわれの生活の中で身体活動をより少なくしようとするようになり,栄養の問題と相まって諸疾病をもたらし,改めて健康づくりが強調されたものである.
こうした運動不足を解消して健康づくりをしてゆくための運動は,余暇にやる何か特別なレクリエーションやスポーツではなく,生活の中で使っていた身体を動かす機会が少なくなっているのであるから,毎日毎日の生活の中で,運動として行なう身体活動を指し,そうした運動を生活にもっと積極的に取り入れることを意味している.
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