特集 救急医療計画
救急医療体制
荻野 淑郎
1
Yoshio OGINO
1
1埼玉県衛生部
pp.822-828
発行日 1980年12月15日
Published Date 1980/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206201
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■はじめに
交通事故などによる負傷者の搬送および医療の確保をはかるために出発したわが国の救急医療対策は,昭和38年の消防法改正による搬送業務の制度化,翌年の厚生省令による救急病院等を定める事柄などであった.
その後,交通事故による死傷者も,昭和45年をピークに年々減少の傾向をたどりつつあったが,一方,急激な人口移動の影響を受けた都市部における医療需要の増大,人口構成の高齢化に伴う,いわゆる成人病に関連する救急疾患の増加,あるいは核家族化の進行による,特に小児疾病に対する認識や応急処置の伝承の欠如など,さまざまな要因がもたらした現象として,休日や夜間におけるこれら一般の医療の救急医療に占める割合が大きくなってきた.
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