特集 地域社会と老人問題
老人の学習活動
小林 文成
1,2
1(長野県伊那市)楽生学園
2光久寺
pp.612-615
発行日 1979年9月15日
Published Date 1979/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205917
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■民主教育と老人学級の芽生え
私が老人の学習活動と取り組んで,すでに26年の歳月が過ぎている.事の起こりは,私が敗戦直後の昭和23年に,地区の公民館長に就任したことから始まる.当時では,公民館は何をするところかも知らない私であった.新しい教育理念などまったく知らない私が,民主教育を踏まえての社会教育に取り組むなど,手も足も出ない状態であった.
そこで中央の学者,とくに新しい教育の指導者を招いて,まず公民館関係者たちが学ぶことから始めた.明治・大正・昭和と戦争体制の中で生活してきた私たちは,全体主義,軍国主義を骨の髄までたたき込まれていたのであった.そういう自分たちを,民主的な考え方のできる自分に自己改造することは,そんなにたやすいことではなかった.
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