保健活動—心に残るこの1例
ある老人クラブの活動から学ぶ
谷口 栄作
1
1島根県浜田保健所
pp.145
発行日 1993年2月15日
Published Date 1993/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900753
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私が島根県東南部の山間部を管轄しているU保健所にいた頃,A町と保健所がモデル地区に指定して保健活動を取り組んでいたA地区の老人クラブの活動を紹介したいと思う.その町は高齢県島根県を代表するような過疎化・高齢化が進んだ町である.私はある日健康相談に行き,A地区老人会副会長のYさんと出会った.今回はYさんを通じて知った1事例で学んだことを紹介したい.
この老人会は10年ほど前から有志でゲートボールを始めた.その頃は老人会が個人の土地を好意で借り,そこで行っていた.しかし場所的に狭いことから,当時牧草地であった借地を借り上げて,そこを整地した.その予算は地区の自治委員に働きかけ4,000円/戸(全戸)を出しあい,そのうえに議員に頼んで町から助成と寄付金を受けた(合計約100万円).整地にあたっては業者と直接話して,16〜17人が手伝いをして出来あがった.そしてそこに寄付金により「老人憩いの家」を建てた.またその時チビッコ広場としての助成も受けるために,手作りで滑り台,ブランコ,ジャングルジムを作った.さらに“ふるさと創生1億円”基金からの助成を得るために町に対して手紙を出したり,地区の自治会を通じて要請したりしている.
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