特集 "国民健康づくり"を考える
—提言—市民が話し合い,実践する健康づくりの組織を,他
小松 五郎
1
,
高木 寛治
2,3
,
笹出 千秋
4
,
石田 セイ子
5
,
下江 喜代
6
,
高橋 勝美
7
,
雄川 美代子
8
,
松村 栄子
9
,
新田 則之
10
1横浜市旭保健所
2現:岡山県衛生部公衆衛生課
3前:岡山県勝央保健所
4北海道静内保健所
5石川県小松保健所予防課
6岡山県・井原市保健センター
7石川県七尾市役所保険年金課
8大阪府布施保健所
9〔社〕大阪府衛生婦人奉仕会
10愛媛県・広見町国保愛治診療所
pp.545-554
発行日 1979年8月15日
Published Date 1979/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205900
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
市民運動は本来,住民自身が自己をとりまく諸問題を主体性を持ちながら解決し,新しい集団が論理と価値を形成・組織化していく過程として重要な課題をもっている.医療の場合は,それが本来もっている特殊性に加えて,健康現象を生死という幅で考察する必要からサービスの購入を差しひかえたり貯蔵したりしておくということは不可能である.また市民は,サービスの質や寄与された価値を選択する自由をもっていないという点で,本質的に他のサービスと異なっている.
昭和52年の国民健康調査によると,昭和28年に比較して,高血圧は15倍に,急性咽頭炎は6倍に,貧血は4倍に,不慮の事故は2倍に,胃・十二指腸潰瘍は3倍に,肝臓病は2倍に,先天異常は3倍にそれぞれ増加している.死因では昭和10年に比較して,細菌性疾患は7%に減少し,成人病は不変,妊産婦・乳幼児疾患は10%に,外因死は76%に減少している.急性伝染病と肺結核の予防と治療については,全国の保健所網と国公立病院網と法規制により,世界でも類のないくらいの効果が上がった.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.