特集 がん対策—集団検診を中心として
日本人のがんの将来予測とこれからのがん対策
青木 国雄
1
1名古屋大学予防医学
pp.452-459
発行日 1979年7月15日
Published Date 1979/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205872
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■はじめに
地域における疾病の頻度分布や動態が明らかになると,その将来予測が可能となり,また疾病発生に関与する要因とその影響力が明らかになってくる.
わが国ではがん死亡の実態が精細に把握されているので,死亡を中心とした資料1)から,がん対策が考えられてきた.しかし近年,全国12の府県,2都市でがん登録2)がすすめられ,罹病状況が把握されて,がんの実態がより明らかになりつつある.福岡県3)では,罹病のほか有病者数も算定されており,筆者らも厚生省患者調査資料を利用して,がんの時点有病率を推計し4)検討してきた.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.